エレクトーンコンサート
2017.3.5
Photo by 田中大造
こんなにお得感あふれるコンサートがあっただろうか?
満席で期待が高まるなか、まずは鷹野雅史指揮(演奏)による"STAGEA PHILHARMONY"。オーケストラチューニングで始まった〈Field View〉で、豪華な"オーケストラのコンサート"の幕開けだ。《ソナチネ》より第1楽章ではアニメ映画のような世界を、続く壮厳序曲〈1812年〉ではそのストーリー展開を大砲の音まで鮮やかに再現。締めくくりの《威風堂々》第1番まで、壮大なオーケストラサウンドが繰り出された。
ここで2番手の倉沢大樹にバトンタッチ。このステージのための新アレンジ2曲を含むプログラムで今度はジャズを堪能。〈ウエスト・サイド・ストーリー〉では、ハイブローなビッグバンドサウンドに、ミディアムブルース〈Jet Song〉や、高速4ビートの〈I Feel Pretty〉など盛りだくさんなメドレーを披露。〈Smile〉では対照的にギターとストリングスの甘美なバラードで魅了し、真骨頂のラテンジャズコンボ〈Caravan〉で迫力のステージを締める。
するとステージ奥からブルースハープの音が……。パフォーマーyaSyaこと富岡ヤスヤの登場だ。ファンキーな〈Pick Up The Pieces〉で、頭から観客の手拍子が加わる。本人とSTAGEAによるボイスパーカッションも飛び出し、ノンストップでヒップホップバラードが印象的な〈This Masquerade〉や、トランス感の入ったオリジナル曲〈Sword Line〉へとなだれ込み、yaSyaワールドが炸裂した。
Miyuki、Eyes'のボーカリストふたりとともに登場したのは、窪田宏。〈Rhythm Boxer〉から、すでに熱気を帯びた観客を一気に最高潮へと導く。〈Chance〉での女性ラップ、ラストの〈Vocalize〉まで、ジャンルはまさに"Hiroshi K."! ELS-02シリーズのサウンドとボーカルが融合したダンサブルなステージは、観客のコーラスも加わり会場がひとつに!
本編終了後は全員がふたたびステージに戻りトークタイム。MC窪田のツッコミに出演者が応戦(?)し、爆笑のままアンコール曲〈My House Your House〉で幕を閉じた。
4人のプレイヤーの繰り出すさまざまなジャンル。一度にそれら堪能できた、Complete!! な時間だった。
Written by 中川深捺
協力 月刊エレクトーン