エレクトーンコンサート
1999.4.24
6人が奏でるさまざまな愛
▲それぞれの愛の形を奏でた出演者たち。左から、松田昌、平沼有梨、松田淳一、岩内佐織、窪田宏、中村幸代。
~この世の中に存在するさまざまな愛~
その愛の形を、6人の個性の違うプレイヤーが、ステージという大きな空間の中で、音楽のメッセージにして私たちに語りかける・・・
早々とソールドアウトとなった「Love Songs~愛の輪をつなげ」が、今まさにこの厚生年金ホールのステージで始まろうとしている。
深い森をイメージした幻想的な舞台に、妖精のようなコスチュームを身にまとった平沼有梨がおもむろに現れ、音に命をふきこんでゆく。
彼女の愛の姿は、命を感じさせる音楽。
新しい何かが生まれてゆく息吹を感じさせる「Eternal」の中で、永遠に絶えることのない命ある愛が、彼女ならではの音楽で綴られてゆく。
松本淳一の愛の姿は、安らぎの音楽。
彼のオリジナル「美しい日々」から奏でられる清らかな音楽に身を委ねていると、次第に心が安らかに、癒されてゆくような気持ちになる。リラクゼーションの極致である。
岩内佐織の愛の姿は、自然への愛。
「川のほとりで」のように美しい自然に感謝する音楽を表現する一方で、また失われつつある自然や命に向かっての叫びのようにも聞こえる、彼女の強く、情熱的な音楽は、凛としてすがすがしささえ感じる。
窪田宏の愛の姿は、男と女の愛。
「人は愛されたいと思う。けれど人を愛することはもっと素晴らしい。傷つくことを恐れず、人を愛し続ける自分でありたい」と言った彼の愛の形はまさしく、永遠の男と女の愛。「One's heart」では、そんな気持ちを、あるときはオルガン、またあるときはギターで、切々と歌いあげる。
中村幸代の愛の姿が、人類の愛。
「The Earth」-この曲を、未来のある世界中の子どもたちに贈りたいと言った彼女のメッセージは人類愛。この世の中のすべてのものを愛し、優しく、そして大きく包みこんでくれる、とても寛大な愛だ。
そして最後は、松田昌の愛の姿。
母への愛、そして家族の愛。この世に生まれてくるものは、みな、母から命をもらい、母のもとへと還ってゆく。すべての人たちに、神様から平等に与えられるはずのいちばん近くにある愛である。彼は、そんな母への想いを「彼方へ」にのせて、私たちに語りかけてくれた。
アンコールは、中村幸代の「ほほえみと涙」。人生の中で、人が積み重ねてきた喜びと悲しみをセピア色にそまったピアノの音色で彼女は表現していた。
それぞれの愛の形を、音にして私たちに贈ってくれた、6人の素敵なLoveメッセンジャーにありがとう!!
世界が永遠に平和でありますように。そして音楽が少しでもその役目を担えるように・・・。
帰り際にさりげなく手渡された、うす水色のプログラムに書かれたそんなメッセージをふと心にとめながら、ちょっぴり優しい気分で帰途についた。(月刊エレクトーンより)
Photo by 鈴木康弘