ELECTONE CONCERT

エレクトーンコンサート

1993.3.12

【Super Live’93 Straight To Your Heart】

  • 大阪厚生年金中ホール
  • 三木楽器
  • 富岡ヤスヤ 鷹野雅史 中村幸代 窪田宏

"Straight to Your Heart"(あなたのハートにまっしぐら)と題されたコンサート。富岡ヤスヤ、鷹野雅史、中村幸代、窪田宏という異色の顔合わせに、会場はいつにない興奮と熱気に包まれていた。キャパ2000の会場を埋めた満員の客席が固唾を飲んで見守る。

パイプオルガンが響きわたる中、暗闇の客席にいくつものスポットライトの閃光が水玉模様を描く。幕が上がる。エレクトリックサウンドの爆発だ。トップは富岡。ブラックコンテンポラリー風の味付けにリニューアルされたロックナンバー「Smoke on the Water」「Miranha」と強烈なビートで聴衆の<ハートを直撃>。
「今夜は最初で最後の取り合わせ」という富岡は、自分の語りの持ち味もいかんなく発揮。「私はデモンストレーターですから・・・」と、なんとELX-1の商品説明を始めた。しかも、お笑いの本場・大阪でこれだけ笑いをとるとは・・・!さすがは、エレクトーン界屈指のエンターティナーといったところ。

次に登場した鷹野は、いきなりピアニッシモで聴衆の注意を引きつけ、徐々にクレッシェンドするシンフォニックな音の世界を創る。「戦場のメリークリスマス」に始まり、オルガン曲を巧みにオーケストラヴァージョンにアレンジした「Fuga la Gigue」。そして、壮大な「威風堂々」と肩のこらない端正なクラシックが、聴衆の<ハートを捉える>。

音楽が対照的な富岡と鷹野。この2人が話を始めると、まるでコメディアン。しばらく会場を爆笑させた後、うってかわって、ベースの刻みが静かな時の流れを演出するかのような「Prelude」をデュオで演奏。

その2人の後を引き継いで、紅一点の中村がステージに華を添える。映像音楽を意識した「The Last of Frontier」、シンプルな美の世界を垣間見せてくれる「Your Song」、中国風のサウンドをタイトなビートにのせた「大地に生きる」。ピュアで<ハートに染みる>ような音楽に会場の雰囲気も和んでゆく・・・。そして本邦初公開となる窪田とのデュオはマイルス・デイビスの「So What」。息もぴったりの掛け合いで、曲の渋さが逆に新鮮に感じられるほどだった。

最後の登場となった窪田は、完成度の高い演奏で聴衆を魅了。ソロセッションという感じの「Assosiation」「Walkin'」「My House Your House」と聴き応え、見応え十分、まさに<ハートにジャストミート>する音楽を展開した。

最後のナンバーは、この盛り沢山なコンサートを象徴するように「Let It Be」をリレー演奏。ソウルフルな弾き歌いを披露した富岡、ジョン・ウイリアムスばりのスケールを演出した鷹野、ヴィジュアルサウンド志向のバラードは中村、ハウス風のダンサブルな窪田と、1曲で出演者ひとりひとりの個性を楽しめる趣向。満場の手拍子に、アンコールは4人のアンサンブルで「CHAMELEON」。聴衆は、1つの素材に腕を奮う4人のシェフの自慢料理に舌鼓を打つ。

それぞれのハートに響いた音の余韻にたっぷりと浸って、幕が下りても名残惜しそうな聴衆の姿が印象的だった。(SIVA) (月刊エレクトーンより)

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