ELECTONE CONCERT

エレクトーンコンサート

1991.3.3

【DREAMS COME TRUE MASA MATSUDA & HIROSHI KUBOTA】

  • 大阪厚生年金中ホール
  • 三木楽器
  • I 松田昌+篠崎正嗣(Vn) II 窪田宏+マリーン(Vo)

>DREAMS COME TRUE I MASA MATSUDA + MASASHI SHINOZAKI

平成3年3月3日、3並びの雛祭りの日、第1部は松田昌とヴァイオリンの篠崎正嗣の"ダブルまささん"、第2部は窪田宏とマリーンという豪華なコンサートが大阪で開かれた。大阪の三木楽器が毎年主催し、今年で4回目となる企画である。

第1部は松田のHXソロ、オリジナルの「打」で超絶技巧を披露して幕開け。そして篠崎を迎えて「中国地方の子守唄」、松田の新曲「砂漠の隊商」をデュオで。篠崎の弾くヴァイオリンはハーバード大学で開発された電子ヴァイオリンで、通常の弦の音だけではなく、人間の声や管・打楽器の音まで音源にすることができる新機種である。2曲の後、犬のけんかや夫婦げんかの様子などを面白おかしく表現して会場を笑わせつつ、擦るという動作による電子楽器の登場を強烈に印象づけた。

後半は「花子ちゃん、遊びましょ」をモチーフにした「花子ちゃん」でリラックスした雰囲気をつくり、胡弓に持ちかえた「道」へとつなげる。松田の安定した演奏と弦楽器ならではの表現がぴったりと合い、素晴らしい。締めくくりはお馴染みの「Sun Country」。途中から窪田が加わり、第2部へとバトンタッチした。

DREAMS COME TRUE II HIROSHI KUBOTA + MARIENE

第2部は「Swan Lake」の後、窪田のオリジナルのラブソングを2曲。そして「You are Everything」「Black Cat」「Electric Future」で最高潮に達する。マニピュレーションの部分に比重が多くかかる現在の電子楽器演奏において、エネルギッシュに一つ一つの音に魂を込める窪田の演奏は、打ち込みと生演奏との微妙なバランスを表現していて、今後のエレクトーン演奏の一つのあり方を示していると思う。

続いて窪田の「マリーン!」というコールで「Spinning Wheel」のマリーンが登場。一瞬にして舞台が華やかになる。次に「Love on the Side」を窪田のピアノ伴奏という珍しい組み合わせでしっとりと聴かせ、マリーンのバックでキーボーディストをつとめる窪田の力量をおおいに発揮。彼女の新曲「Say You're Mine」では松田がピアニカで加わり、エンディングの「Game of Fortune」では篠崎も入って、松田のピアノ、窪田のHXで4人4様のアドリブを聴かせた。「いい音楽を提供したい」という趣旨で続けられてきた三木楽器のこのコンサート。さて来年はどんな豪華企画が打ち出されるのか、おおいに楽しみである。(深)(月刊エレクトーンより)

loading